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手数料ビジネスのジレンマ 前編

久々の更新ですみません。
今回はお金に関する、かなりの裏の話。ちょっと暴露的。ここまで書いちゃってるブログはそうはありませんよ〜w

保険代理店は手数料ビジネスです。
お客様が支払った保険料の一部が手数料として、保険会社から代理店へと支払われています。
このため「無料相談」が可能なわけです。

手数料が支払われるのも一回だけではありません。
その保険が月払であれば毎月払で、年払であれば一年分まとめて手数料も支払われますが、契約のあった初年度だけではなく、数年間継続します。2年目以降はかなり少なくなりますが、4年から7年間くらいは継続して支払われます。保険会社によっては契約者が保険料を支払っている間は手数料もずっと支払ってくれるところもあります。
「初年度が多くて2年目以降が少なく」ではなく、「初年度にすべてまとめて支払われる」「初年度も次年度以降もずっと同じ額」など、選択肢が用意されていたりもします。

なお、はじめに「保険代理店は手数料ビジネス」といいましたが、正確には「保険募集業は手数料ビジネス」です。
代理店だけではなく、保険会社に直接雇用されている外交員の報酬体系も、代理店に対するものとほぼ同じ内容です。仕組みは違っていてもトータルで支払われる報酬は同じくらいです。
そんなこともあるため、保険の場合、代理店を経由して申し込もうが、保険会社の外交員を通じて直接申し込もうが、あるいは通販で申し込もうが、同じ保険であれば同じ保険料です。
(給与天引で加入している場合などは、割引が適用されるので、保険料は異なります)

そして、「手数料」である以上、「手数料率」というものが決まっています。
「お客様が支払う保険料×手数料率」で手数料は決まりますが、この「手数料率」は保険会社、保険商品によって差があります。
「同じ保険会社の中でも、保険の種類によって、手数料率が高い保険と低い保険」
「同じ種類の保険でも、保険会社によって、手数料率が高いところと低いところ」
というものが存在します。

その結果、たくさんの保険会社を取り扱うことで「中立公正」を謳い文句にしているのに、手数料が高くて儲けの大きい保険を優先して提案したり、逆にお客様にはとてもいい保険だけれど手数料が低いので紹介しないということが起こりえます。
複数の保険会社を取り扱うことによって、よりよい保険を紹介できる可能性は高まるのですが、こんな操作をすることも可能になります。

また、保険会社は時に「キャンペーン」を行ないます。
「この期間にこの保険の申込を挙げてくれたら、普段よりも手数料を上乗せしますよ」
というものです。
手数料ではなく、商品券や海外研修がエサになることもあります。

普段は他の保険を主に勧めていてその保険はあまり紹介しないはずなのに、キャンペーンが設定されたために、突然その保険の契約が増えることがあります。

保険会社も代理店に対して、「うちの保険を積極的に販売してください。うちの保険はこんなメリットがあります!」と営業をかけてきますし、自由競争ですから保障の特長やメリットの周知、サポートの丁寧さ以外に、そういったキャンペーンを実施することを否定するつもりはありません。
しかし、それに走りすぎてしまってはいけないと思います。
本当にいちばんよいと思う保険を提案すべきであって、キャンペーンの有無は、たまたまそのいちばんよいと思う保険にキャンペーンが設定されればラッキーという程度に思うべき。
しかし、代理店によっては、
「みんなでこのキャンペーンに乗っかるぞ!」
という会社命令が出たりします。
(そのキャンペーンが適用されるためには、何件以上を達成しないといけないなど条件があったりしますし、キャンペーンを利用した方が会社が儲かるので)

事業の継続のため、ある程度、手数料を意識して仕事をすることは必要です。それが経営です。
が、それを追いかけるあまり、よいと思う保険の提案をしないとしたら、それは問題。何のためにこの仕事をしているのでしょうか?
口だけの人も多いと重いお増すが、お客様の幸せを守り、万一の時にしっかり支えることがこの仕事の使命ではないでしょうか。そのためには最適な保険を紹介することがまず最初に必要なことだと思います。


ですので、契約をするお客様の側としては、手数料目的ではなく本当にいい保険を勧めてくれそうな、信頼できる人を見極めて相談をすべきです。
また、支払っている保険料には、代理店、その募集人に対する報酬が含まれていることも自覚してください。手数料は2年目以降も支払われるため、その手数料は「契約時の手間賃」のみならず「契約後のフォローに対する手間賃」でもあります。この二つの手間賃を保険料に含めて支払っていることを自覚して、契約後も、積極的に担当者をこき使ってやってください。
「無料相談」とはよく言いますが、保険料にその対価を含んで支払っているわけなので、質の高いコンサルティングとアフターサービスを受ける権利がお客様にはあります。

大野病院事件の判決

8月20日、大野病院事件の判決が出ました。

加藤医師「きちんと判断、ほっとした」=現場復帰に意欲も−帝王切開死、無罪判決
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/medical_malpractice/?1219233811

無罪判決「残念な結果」=今後の医療界に不安−帝王切開事故遺族の渡辺さん
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080820-00000127-jij-soci

遺族の救済制度の実現を―全医連
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080820-00000013-cbn-soci

医療安全調設置に意欲−日医
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080820-00000011-cbn-soci

産婦人科医「無罪判決」 「大野病院事件」はなぜ注目されたのか
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080820-00000004-jct-soci


判決は無罪となりました。
多くの医療関係者は胸をなでおろしていることと思います。
医療崩壊が更に進んでしまうことは、ひとまず避けられたことになると思います。

ちょうど福島に行っていたので、判決に合わせて行なわれたシンポジウム(http://plaza.umin.ac.jp/~oono-obs/cgi-bin/wiki/wiki.cgi)を傍聴してきました。
判決を知って感じたこと、シンポジウムを聞きながら感じたことを書きます。
取り留めないですがご容赦くださいm(_ _"m)


判決は「無罪」となり、それは妥当で、そもそも刑事事件として取り扱うべきものではなかったと、私は思います。
そうでないと、医師が安心して診療・手術に取り組めなくなって、それは私たち生活者にとっても安心な社会ではないからです。
真実の究明は必要なことですが、刑事事件として取り扱うのは、いいことではないと思います。
が、真実究明の仕組みが整っていない現状では刑事告訴されてわかってきたことがあって警察、検察には感謝しているという遺族の気森もわかります。

今回「無罪」ということでしたが、では、「無罪」=「医師に落ち度はなかった」=「妊婦は亡くなるべくして亡くなった」ということになってしまうのか?
それでは、遺族は納得できないでしょうし、悲しみの持って行き場をなくしてしまいます。医療者と患者の溝も深まってしまうだけです。
(そういう意味で考えれば刑事裁判では有罪になろうと無罪になろうと何も生み出さない)

今後の展開、世論の受け入れ方やマスコミの論調、政治家の発言等によって流れは作られ、大きくか割ることもあると思いますが、今回の判決が医療者と患者の対立を深めてしまうことになることだけは避けてほしいと思います。
本来、医療は医療者と患者が手を取り合って協力して作っていくべきものですから。

たとえば、医療者に批判的な立場、あるいは不勉強な者が今回の「無実」を伝える記事を書くとするならば、
「遺族の訴え届かず!専門性を盾にした医療側の主張に司法が踏み込めなかった」
という論調の記事もありえます。
今回の事件は当初、事件の背景は明らかにされないまま、「医師の逮捕」だけがセンセーショナルに取り上げられました。今も当時の印象のままで受け止めていて「あんな医師がいたら困るねぇ」と感じている市民もいるそうです。
事件の背景、医療の事情が十分に伝わらないまま理解されてしまっています。

今日のシンポジウムは主に医療者側の人が集まりました。
医療者が声を上げて、現場の状態を伝えることは大切だと思いますが、上記の「専門性を盾にした医療者側の抵抗」というように世の中に映ってしまうこともあるのではないかとも心配でした。
関係者のかたが、「おかげさまで無罪ということになり、ほっとしました。皆様の支援のおかげです」と述べたとき、会場からは拍手が沸き起こりました。しかし、遺族の気持ちを考えるとその場面で拍手することに違和感も感じました。
むやみに団結することは、本来手を取り合うべき医療者と患者の溝を深めてしまうことにもつながる可能性があるので怖くも思います。


今回の裁判は「無罪でよかった」と判決の結果だけを見るのではなく、今後、医療というものを私たちはどう理解すればよいのか、正しい道を模索していく必要があります。
その中で、市民一人ひとりの知ろうとする姿勢も必要でしょうし、マスコミや政治家の役割も大きいでしょう。学校など教育の場での取り組みも必要なのかもしれません。
医療崩壊が進んでいる現状もあり、知るだけでなく地域の医療を守るために普段から行動をすることも必要なのかもしれません。
政策として何かを実行し、そのためには財源をつくるために国民として保険料負担や税負担(消費税?タバコ税?)、あるいは他のもの(例えば道路?)への財政支出を断念して医療や介護に充てるという選択・決断も必要なのかもしれません。


あるアンケート調査では、「手術中に患者が死亡した以上、医師に何らかの過失があったはず」と考える人が相当数いることが確認されています。医療の不確実性(最善を尽くしても結果がよいとは限らない)についての理解が十分でなく、事故があった以上、人為的なミスがどこかに必ず存在するものと考えられていることが多いようです。

しかし、医療の場合は“最善を尽くしても”ということが時には起こってしまいます。
そもそもすべての医療現場に最新の機器設備、最高の人材を、十分な数、配置することは不可能であること。むしろ、現状の医師不足(とコメディカル不足)では、当直明けの通常勤務、36時間連続勤務などが日常茶飯で、最善を目指せるコンディションにはとても置かれていないこともまた問題です。

まず、医療の不確実性を市民が理解することが必要だと思います。
技術の発達で、救われる命が多くなりましたが、そうでないことも当然にあることを忘れてはいけません。
ナイーブなことなので難しいですが、医療者は声を上げなければいけませんし、私たち市民も自覚しなければいけないと思います。

同時に、理解はしていても実際にそういう場面に自分が遭遇した場合、ツイていなかったと諦めることもなかなかできることではありません。
その感情をぶつける先、共有する先が必要です。

今回の事件でも、遺族は悲嘆にくれてどうすればよいかわからず、警察に相談すれば真相がわかるかもしれないという気持ちがあったはずです。
(実際の警察介入の経緯は、遺族からの訴えがあったのかなかったのかを含めてはっきりしていない部分がありますが)

特に今回のような出産に関わる手術は、(今回は前置胎盤という難しい症例でしたが)、家族は「元気な赤ちゃんが生まれてくるはず」と嬉しい期待に胸を膨らませているのに、突然、妊婦の死という事実が突きつけられ、喜びの期待から絶望へと突き落とされることになり、なおのことこじれやすく、難しい事情があります

出産に関する事故について、過失の有無にかかわらず遺族に補償がされる制度の創設が検討されています。
(現状、医師が加入している賠償費用保険では、原則何らかの過失がないと保険金支払いの対象とならず、医師や調査委員会が過失を認めたり、民事訴訟等で過失が認められないと、事実上遺族への補償が進みません)

保険屋としては、今回の事件について保険金支払いの対象になるのか気になるところです。
当初、県の調査委員会の報告書で過失を認めていたので、保険金も下りる予定で示談が決まりそうになっていたところ、刑事告訴されたので、保険会社はその裁判の結果が出るまでは保険金の支払いを保留したそうです。
「無罪」の判決が出て、それが確定した場合、保険会社はどうするのでしょうか。刑事裁判は刑事裁判ですから、示談をしたり、民事訴訟に訴えるなどで、遺族は法律上の賠償責任を追及することはできなくはないはずです。
しかし、この刑事裁判で過失には該当しないという判決が出てしまったことは、遺族が賠償を得るという観点から考えると不利に働くような気がします。少なくとも今回無罪となった根拠で、民事裁判を戦うことは、マイナスからのスタートということになるのではないでしょうか。マイナスからでも民事では過失を認めさせる判決を勝ち取るか、別の論点で裁判を戦うか、難しい選択になると思います。
その前に示談の道を模索するとは思いますが、保険会社がどう動くか…。この分野の保険は詳しくないのでわかりませんが…。


今回の判決は、医療崩壊が更に進むことだけは避けられましたが、医療崩壊、産科崩壊は存在したままです。
しかし、この事件や他にもさまざま報道される事件によって、多くの人が日本の医療の置かれている現状の深刻さをあらためて認識するようになるはずです。

判決を見て終わりではなく、これを機会に日本の医療をどうするか、安心できる社会のためにこれから市民一人ひとりが、みんなで考えていかなければいけないことだと思います。

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とある医療に関するアンケート

こんなアンケート結果があるそうです。
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/16368.html

最近の私の関心は「混合診療」なので、それについてあとでだらだらと書きますが、もう一つのアンケートについて。

「生活習慣病の予防に努力した人に対して、何か報われる仕組みが必要と考えるかどうか?」
だそうです。
おおむねそういった仕組みには前向きな人が多いようですね。
悪いことじゃないでしょうしね。

この仕組みの目的が「健康で長生きな人が多い日本を作る」ということであれば、問題なしだと思います。
やっぱり、どうせなら健康で長生きしたいですし、そのためならお金を使いましょう!^^

ただ、目的が「病気になる人を減らして医療費を減らす」ということであれば、それは検証が必要です。
本当に病気になる人が減れば医療費が減るのか?
人間、いつかは亡くなるので、健康に長生きしても最後はなくなります。その直前にはたくさんの医療費がかかります。これは避けられません。
長い目で見たら結局同じになるのではないか?という見方もできます。長生きするぶん介護費用が余計にかかるのではないか?と想像することもできなくありません。
私も詳しく勉強していませんが、「病気の予防が医療費抑制につながらないことは医療経済学の世界では、既に明らかにされた理論」とも聞きます。

長い目で見たら医療費の総額は変わらないのに、アンケートにあるように、「生活習慣病の予防に努力した人の医療費負担を軽くする」と、支出は変わらないのに、その分収入が減ることになり、医療財政が悪化することになるんじゃないのかな?と思います。
個人的にはタバコ吸わないので、そういう人は健康保険の保険料率が低くなる、とかは嬉しいけど。
医療財政が悪化することは承知の上で、「健康で長生きな国民が増えればいい」という政策目標があるのなら、そのための費用を支払って多少医療財政が悪化してもよいとわかった上でなら、それもありだと思います。

でも、
「予防に努力した人にインセンティブを付けてあげれば、将来的に医療費も安くなるという話だったのに、違うじゃないか!医療財政がさらに悪化してるじゃないか!?」
という風に将来、多くの人が思ってしまうのだったら、よく考えて政策の支持は決めたほうがいいと思います。

「いい」と思って改革を支持したら、「いい」と思っていたことは何も現実のものとして機能せず、「痛み」だけが強く感じられるようになってきた、なんてこともありますからね(・_・;

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粒子線治療セミナーに行ってきました。

火曜日、某損保系生保が主催する「粒子線治療セミナー」に参加してきました。

“粒子線”というのは“陽子線”や“重粒子線”のことで、放射線の一種です。
平たく言えば、X線ではなく、別の線を使った特殊な放射線治療、といったところでしょうか。
通常の放射線治療よりも、効果が高く、身体への負担も少なく、また、通常の放射線では有効でない種類のがんに対しても有効であったりします。

がんの三大療法は外科療法(手術)、放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)と言われますが、粒子線治療は期待できる効果の面から、放射線や抗がん剤の代わりではなく、手術の代わりとしての位置づけです。
(手術の方が効果が高いと思われがちですが、粒子線治療でも同等の効果が得られるという意味です。なお、粒子線治療に限らず、最近は通常の放射線治療でも、適切な治療が行なわれれば、手術と同等の効果が得られると言われており、日本は「がんの治療=手術」という風潮がありましたが、放射線治療をもっと積極的に、あるいは公平に候補として考えるべきと言われています)

また、粒子線治療は通常の保険診療(自己負担3割)ではなく、先進医療に分類されているもののため、この治療の技術料については全額が自己負担になる治療です。高額療養費の対象にもなりません。
粒子線治療は300万円前後かかることや、身体への負担が軽いこと、通院でも治療が可能なことから、テレビでもよく取り上げられます。
また、これらの治療が行なえる施設は、今のところ全国で6箇所。重粒子線については2箇所です。
(他に各地で建設計画がありますが、個人的には、乱立しても採算は取れるのか!?と疑問・・・)

これについてのセミナーでした。
この保険会社は粒子線治療もその一つである先進医療を受けたときに高額な補償を受けられる保険を販売しているため、今回のようなセミナーを企画しているわけです。

以前に、重粒子線治療を行なっている放医研の施設を見学したりしているので、また、上記のような保険を積極的に勧めているので、だいたいのことは把握しているのですが、新たに学べることもあるだろうと参加してきました。

ちなみに、2週間ほど前にこの保険会社の担当者と話す機会があり、その後メールで、「そんなセミナーがあれば教えてください」と伝えたところ、「ちょうど来月にありますよ」ということでこのセミナーを知りました。
うちの場合、たくさんの保険会社を取り扱っているため、各保険会社からすべてのセミナーや研修の情報が降りてくるわけではないんですよね。あまり、うちに来てくれない保険会社もあったりしますので。
こちらから、「こういう情報はない?」と問いかけないと、得られなかったりします。受け身だと得られる情報が限られてしまう環境です^^;

なお、私は保険周辺の知識として、病気に関すること、特にがんについて積極的に学びに出かけています。
その理由について、私が思うところを今日の菱川先生もおっしゃっていたので、ちょっと書きます。
がん以外にも命に関わる病気、最新医療としては、脳や心臓、脳梗塞や心筋梗塞の治療法も話題性があります。
しかし、そのあたりは情報を集めてもあまり役立てられないと思っています。

脳梗塞や心筋梗塞で倒れたときは一刻を争います。すぐに病院に運ぶ必要があります。
そこでは、こんな治療法がある。それを受けられるあの病院がいい、とか選ぶ余裕はありません。救急車で運ばれた病院ですばやく適切な治療を受けられることが重要です。
たまたま、その病院で最新の特殊な治療をやっていて、それを施されることになれば、「もしかしたらそのおかげで回復が早かったのかもね」というような話になります。
いろいろ情報を知っていても、それを活かせる時間がないわけです。

それに対してがんの場合は、初期であればもちろんですが、ある程度進行してしまっていても、すぐに動けなくなるわけではなく、診断された後、時間があります。
どこの病院、医師の下、どんな治療を受けるのか、良くも悪くもじっくり考える時間があります。
そういったときに情報が役立つ可能性があります。
それに、以前よりも不治の病ではなくなったとはいえ、大いに命を脅かす可能性のある病気であり、再発や転移の恐れもあり、大きな衝撃を与える病気ですしね。

そんなわけで、他の病気よりも重点を置いて勉強してます。


さて、今日の講演者は兵庫県立粒子線医療センター院長の菱川良夫先生です。

粒子線治療の概要から、実際にどのような流れで治療計画が立てられ、実施されるのかの説明、さらに事例を挙げて治療効果やどういう目的で治療が行なわれたのか説明がありました。

やっぱり、こういう専門的なテーマの講義は、何度も繰り返し、また様々な人に話を聞いたほうが理解が深まりますね。
別の角度からの話を聞くことができますし、まったく同じ話を聞いても、そのときに自分が持っている知識や関心によって、理解できること、印象に残る部分が変わってきます。
参加してよかったです^^

前半では粒子線治療の概要についての説明とどのように日本で行なわれるようになったのか歴史と、後半は治療を受ける場合の流れ・スケジュールと、治療の事例についての説明でした。


今回の日記では粒子線治療についての概要についてははしょらせていただきます。
そうではなく、また、治療の効果がどうこうというわけではないのですが、印象に残った治療事例があったので紹介します。
ドキュメンタリーとして、すごいと感じたのですが・・・。

35歳の女性の方で肺がんになられた方がいたそうです。
当初は粒子線治療は受けず、別の病院で右の肺をすべて摘出する手術を受けたそうですが、その後、左の肺の広い範囲に転移してしまったそうです。

広い範囲での転移となってしまい、手術には適さず(範囲が広く、また肺をすべて摘出するわけにはいかないので)、放射線治療も適しません。
全身療法である抗がん剤投与が考えられましたが、効果は限定的と考えられ、身体への負担を考え、治療を断念されたそうです。

ただ、それは後ろ向きな断念ではなく、「がんを完全に治すことはできないけれど、“よく生きる”ことはできる」という判断だったそうです(と、医師にアドバイスされたのかな?)。
35歳の女性にとって、“よい生き方”として彼女は子どもを生んで育てることを考えたそうです。

99年11月にガンと診断され、2000年3月に左肺を全摘、2002年に残肺多発転移が確認され、このときの決断です。

その後、03年に男児を出産し(転移が確認されていた時点で妊娠中だったのかは未確認です)、06年には女児を出産されたそうです。

それで、07年4月には転移したがんが大きくなり、気管を圧迫するようになったため、症状が軽減されるように、その部分だけ粒子線治療を受けたそうです。がんを治すための治療ではなく、症状を緩和し、“よく生きる”ための治療です。


特にこの患者さんの事例についてクローズアップして講演されたわけではないのですが、うーん、「愛してるよ、カズ」とか「余命一ヶ月の花嫁」のTV番組、本を見たばかりだからですかね、印象に残りました。
命に関わる病気なのに、勇気ある決断をされていてすごいなと感じます。
そんな場面に遭遇したときに、真剣に命と向き合って、何らかの決断を下せるだろうかと思います。


ちなみに、今回「へー」と思ったこと。
(飛ばし飛ばしに、一部のことしか書かないため、予備知識がないとわからないと思います。単なるメモです)

・粒子線治療を最初に行なったのは筑波大(私、筑波大出身なので)
・医療として、先進医療に認定されて粒子線治療をお金を取って実施するようになったのは98年国立がんセンター東病院が初め。
・事業として採算が取れるためには、年間5,600人の患者、休日や施設のメンテナンスを考慮すると一日あたり5,60人の患者が必要。
(全国各地で同様の施設の建設計画が立ち上がっているのですが、施設の乱立はそれぞれの施設の採算の悪化、補助を出している自治体財政の悪化を招くので)
・一日あたりの実施件数は、臨床試験中は5〜10人/日、03〜05年は30人/日、06年〜は60人/日
・今は月に3,4日休止してメンテナンスをしている。
・実際に患者に照射する前に、「実測」として実際の患者を想定して照射実験をし、コンピュータの設定が合っていて、実際にどれくらいの線量が照射されているか計測する段階がある。
(コンピュータの入力が間違っていて、本来の数倍、あるいは数十倍の線量をあてることにでもなってしまったら、副作用など身体に与える影響が心配される。以前に通常の放射線治療でそういったミスをしてしまった医療機関があったらしく、万全を期している)
・病院としては50床ほどしかなく、近隣のホテルなど宿泊施設に宿泊したり、通院で治療を受ける人も多い。
(以前、放医研で聞いたときは、スケジュールを滞りなく進めるため、基本的には入院してもらうことになっているとのことでした)
・将来的には陽子線と炭素線(重粒子線)を同時に併用する治療を行ないたいとのこと。
・理論上は炭素線(重粒子線)の方が効果が大きいといわれているが、臨床的には陽子線と炭素線では効果に大差はない。
・単に粒子線治療を行なうだけでなく、治療中に生活習慣を見直させ、治療後もその生活習慣を継続させることが一連の治療。



しかし、千葉の放医研で重粒子線治療をやっているのに、どうして兵庫から招聘しているんだろね?^^;
院長がこういう講演活動に積極的かそうでないかの差なのか?重粒子線だけでなく、陽子線も使った治療をやっているからなのか…
どうせなら施設の見学もセットになった研修を希望したいけれど、さすがに兵庫は遠いなぁと思ったり、一方で、医療産業に特化したら街がどのような発展を遂げているのか、見に行ってみたいとも思ったり…。
そういう意味では亀田総合病院のある千葉県鴨川にも出かけてみたいと思う今日この頃。
鴨川シーワールドには何度か行ったことあるけどね(^-^;

テーマ : 生命保険・医療保険・学資保険・自動車保険 - ジャンル : ライフ

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